行雲流水 〜お気に召すまま〜

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中国と私②

前回中国についてお話したので、引き続き中国の話をしたいと思います。

 

実は留学前に、一度中国の地に降り立っていました。
大学で所属していたサークル内の行事で訪中することになり、それが私にとっての人生初の海外であり、そして中国でした。

 

時は2005年、大学2年生の夏休み――。(年齢がモロにバレますね・・・笑)

 

大学で中国研究会というサークルに所属していた私は毎日サークルに入り浸り、文字通り中国漬けの毎日を送っていました。

 

ここで簡単に研究会について説明しておくと、「中国語」研究会ではなく「中国」研究会なので中国の歴史や時事問題などについてグループで研究する日もあれば、中国語で歌を歌ってみようといった語学を重点的に楽しむ日もありました。

 

そんな中で、一つの目玉となっていたのが、中国研究会としての訪中団。
研究会発足以来なかなか実現できずにいたのですが、私が大学に入学した2004年にようやく先輩方の努力が実ることになり、訪中団を結成することができました。
しかしながら、その年は私はメンバー選考から落選してしまい、あまりの悔しさに研究会やめようかなとまで思い詰めてしまった時期がありました。

 

――話を戻して。訪中の目的は、一口で言うと学術交流です。

 

訪中先は、上海、南京、長沙、北京の4都市で、一週間ほどの旅程。

 

このうち一番長く滞在したのは長沙で(約3日間)、現地の大学の日本語学科の学生さんたちと買い物したり、中国語でのシンポジウムを行ったりというのが主な内容でした。
このシンポジウムでの講演や質疑応答は日本人もすべて中国語で行うことになっており、なんと私は講演メンバー3人のうちの1人に選ばれました!
もちろん日本での事前準備は入念に行いました。それでもやっぱり相当緊張していたのか、当日のことについてはめちゃくちゃ緊張してめちゃくちゃ吐きそうだったということ以外は、何も覚えていません(苦笑)

 

現地の学生さんたちとの交流は、それはもう一生の思い出に残るものになりました。
日本語を勉強し始めてからまだ1年にも満たない学生が、もうすでに私たちと日本語で問題なくコミュニケーションがとれることには本当に驚かされました。

 

嬉しかったのは、日本が好きだと言ってくれる人が多かったこと。

 

「日本の漫画が大好きなんです」、「日本のアニメを日本語で観たくて勉強を始めました」、「NARUTOが一番好きです」、「将来は日本で働きたいです」と目を輝かせて話してくれた学生さんたちの姿は本当にまぶしくて、素敵だなぁと心から思いました。

 

一方で、「もともと日本は好きじゃなかったけど日本語学科になってしまった」という子もいました。
しかし、別れの日に最後にその子が言ってくれた言葉は、訪中メンバー全員にとってその後もずっと心の中に残るものになりました。

 

僕は日本は好きじゃなかった。僕のおばあちゃんも、日本軍にひどいことをされたから。でも、こうして日本の学生のみなさんと会ってみて、考え方が変わりました。みなさんも僕たちと同じように、笑ったり悲しんだり怒ったりするんだということを知って、僕は日本人のことを誤解していたと知りました。日本人はみんな中国のことが嫌いだと思っていたけど、中国のことを好きだと言ってくれる日本人がいることに、とても感動しました。みなさんと出会えて良かった。もっと日本語を勉強して、将来は中国と日本をつなぐ仕事をしようと思います。

 

実に流暢な日本語で、涙ながらに語りかけてくれたことは一生忘れません。
こうして直に接することで、私たち日本人の良さを知ってもらえたことが本当に嬉しかったです。


と同時に、中国と日本との間に横たわる溝の深さを、改めて思い知らされた瞬間でもありました。

 

その他の訪中先(上海、南京、北京)では、観光メインでした。
ウマいものをひたすら食べ、お土産売り場でひたすら値切り、目も覚めるような鮮やかな夜景にひたすら感動し、訪中メンバーとともに楽しい時間を過ごしました。

 

日本人として必ず訪れるべき場所にも行きました。
私がそこで感じたことは、とてもここに書くことはできません。自分の想いすら自分でうまく伝えることができないほどに、心に激しい痛みを感じました。

 

――あっという間の一週間で、なんだかもう本当に夢か幻かと思うくらい充実した初訪中でした。

 

生まれて初めて行った海外が、自分が憧れてやまなかった中国だったということは、何かものすごい不思議な縁を感じています。

 

今の私の語彙力ではありきたりな表現しかできないことが歯がゆいですが、「感動」という一言では言い尽くせないくらい、貴重な体験をたくさんさせていただきました。

 

※写真は2007年撮影のものです。撮影場所:湖南省長沙市長沙駅(长沙火车站)

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