行雲流水 〜お気に召すまま〜

好きなことを好きなように好きなときに書くブログです。

中国と私~文学編~

今回は、私がこれまでに読んできた本の中から中国を舞台にした文学作品について少しご紹介しようと思います。

 

パール・バック『大地(1)~(4)』(新潮社)

王龍(ワンロン)から始まる一族の、三代にわたる物語です。貧しい農民にすぎなかった王龍が、大地主の奴隷だった阿蘭(アーラン)を娶ったことによって運が向き始め、莫大な富を手に入れるまでが第一部。
第二部では、三人の息子たちがそれぞれどのように成長したかが描かれてます。地主となった長男、商人になった次男。三男は父が望んでいた百姓ではなく、軍人として力をつけるようになり、後に王虎(ワンフー)と名乗るようになります。
第三部では、王虎の息子である王淵(ワンユアン)を主人公に据え、物語が進んでいきます。息子を軍人にしたかった王虎の思いに反して王淵は土地への強い憧れを抱き、父の元を去ってアメリカに留学します。そこで彼は新しい生き方に触れつつも、土地への愛着を捨てきれないまま帰国します。

 

それぞれの登場人物が生きる時代背景はどんどん変わっていきますが、家族間、親子間の問題は変わることなく後々まで尾を引いていきます。
物語の中で大きく変わってくるのが、女性たちの生き方です。王龍の時代では封建的な考え方が強かったのに対し、王淵の時代では西洋的な考え(親同士が決めた人と結婚するのではなく、好きな人と自由に恋愛結婚をする)をもった女性たちが増えてきています。
淡々と物語が進むため、あまり感動したりする要素はありませんが、人間は大地から離れて生きることはできないということを考えさせられる一冊です。

 

ユン・チアン『ワイルド・スワン(上)(中)(下)』(講談社

著者の祖母、母、そして著者自身の中国国内での実体験に基づく作品です。神格化された毛沢東の狂気など、余すところなく描かれています。

 

一口に言って、とても凄惨な内容で、生々しい描写も多いです。大躍進政策文化大革命など、中国が経験した激動の時代をここまで克明に描いているのもなかなか珍しいかなと個人的には思いますが、中国の近現代史を理解する上では絶対に欠かすことのできない一冊です。
神格化された人間はここまで恐ろしくなれるものなのか――。中華人民共和国という国が多くの血と犠牲の上に建国された事実を、決して忘れてはなりません。

 

浅田次郎蒼穹の昴(1)~(4)』(講談社

清朝末期を舞台にした歴史小説です。貧しい家を支えるために自ら去勢(浄身)して宦官となり、西太后に仕えた少年・春児(チュンル)と、義兄弟の梁文秀(リァン ウェンシュウ)の物語です。清朝内部での政治争いに翻弄されていく二人を、壮大なスケールで描いています。西太后李鴻章、光緒帝、袁世凱など、実在の人物も数多く登場するので、歴史が好きな人にはオススメです。

 

西太后は日本では悪女として有名ですが、この物語の中ではそうではなくて、ものすごく国民に慕われています。自分の身内を守るために見せる繊細さなど、日本で持たれているイメージからすると意外な一面が描かれています。
内容の面白さとしては「さすが浅田次郎!」というべきで、4冊ともあっという間に読み切ってしまいました。難点としては、一人の登場人物に対して様々な呼称があったりして、なかなか覚えられないことでしょうか。

 

山崎豊子大地の子(1)~(4)』(文藝春秋

中国残留孤児がテーマの小説です。上川隆也さんがドラマで主演されていたことでも有名。
主人公は陸一心(ルー・イーシン)=松本勝男。日本人であるがゆえに差別を受けながらも、日中共同プロジェクトを成功させるまでの様々な人間模様をドラマチックに描いています。

 

まさに「ヒューマンドラマ」という言葉がふさわしい作品だと思います。中国残留孤児という重いテーマを扱っているのと、作中でも次から次へと試練が襲ってくるので読んでいる途中でしんどくなることも多々ありましたが、なんとか読み切りました。
二人の父をもつ陸一心が物語の最後で口にする言葉は、涙なしには読めません。

 

アニソンの話~バトルアニメ編①~

まだまだあります、アニソンネタ。前回はガンダム編でした。

akizuki-haruka.hatenadiary.com

 

想像以上に多くの方に読んでいただいたようで、驚きでいっぱいです。そしてとってもとっても嬉しいです。
本当にみなさま、ありがとうございます!

 

私はここ最近ずっとガンダムの曲ばっかり聴いてました(笑)同じのをずっとリピートするタイプの人間です。

 

さて、他にもいろいろアニメの名曲はたくさんあります。
今回は、週刊少年ジャンプで連載されていたものの中からバトルものを中心にお届けしたいと思います。

 

※完全に私の独断と偏見なので、「それ違うだろ!」というものがあっても一切責任は負いません。

 

武論尊(原作)・原哲夫(漫画)『北斗の拳

まずは、こちら。クリスタルキングの「愛をとりもどせ!!」。


北斗の拳op - YouTube

 

もう敢えて何かを語る必要はないと思います(笑)それほど有名な曲であり、名曲です。
「YouはShock」のインパクトは、一度聴いたら絶対忘れません。

 

王道のこのOPも良いのですが、私は『北斗の拳2』のOPの方が好みです。
次にご紹介するのは、TOM☆CATの「TOUGH BOY」。(※グロい描写があるので、苦手な方はお控えください)


Tough Boy (trace mix) Fist of the North Star 2 opening song - YouTube

 

こちらの曲、歌詞が今の日本という国にそのまんま当てはまるような気がするんですよね。
「このイカれた時代へようこそ」とか、「この腐敗と自由と暴力のまっただなか」とか。

 

今は世紀末ではなくて世紀の途中だけれども、ケンシロウのような救世主はどこかにいるのでしょうか。

 

さて、1983年から連載開始された『北斗の拳』は、男性ファンが多いことでも有名です。
内容を知らなくても、「お前はもう死んでいる」の決め台詞だけは聞いたことがあるという人も多いのでは?

 

ラオウの生き様に惚れる男性は多いようです。ちなみに夫はトキの大ファンです。
そして私はレイ一筋です。もっと活躍してほしかったなぁ・・・・・・。

 

少年だったバットが大人になった時のカッコ良さは異常ですね。リンちゃんへのまっすぐな愛も泣かせます。

 

車田正美聖闘士星矢

2期目OPより。影山ヒロノブさんの「聖闘士神話 〜ソルジャー・ドリーム〜」。


Saint seiya OP - Soldier Dream HD - YouTube

 

実は私このアニメ、めっっっっちゃくちゃ好きでして。
星座とかギリシャ神話とかがもともと好きだったところに、聖衣(クロス)のデザインがとにかく素晴らしくて、あっという間に虜になってしまいました(笑)

 

あと黄金聖闘士ね。みんな素敵すぎるんです。
私は魚座なので黄金聖闘士でいうとアフロディーテです。めちゃくちゃ美しい男の子ですが、しかしスーパー超絶ナルシスト人間というのがちょっと・・・(笑)

 

ストーリーとしてはやっぱり一番好きなのはなんといっても聖域十二宮編でしょう。しかし海皇ポセイドン編も捨てがたいですね。
冥王ハーデス編は全体的にものすごく綺麗な絵柄になってスッカリ女性向けっぽくなってしまいましたが、聖衣デザインの素晴らしさは健在です。

 

こちらが冥王ハーデス編のOP。Marina del rayの「女神の戦士 〜Pegasus Forever〜」。
(※音量注意)

聖鬥士星矢 冥界篇 前篇.- Saint.Seiya - YouTube

 

曲の冒頭部分が、いかにも禍々しい感じがして最高です。

 

たまにはEDも載っけてみます。MAKE-UP「永遠ブルー」。


永遠ブルー - YouTube

 

これも良い曲ですね~。サビの部分が特に好きです。

 

「ああ 未来(あした)の空は ブルー
 どんな夢も 信じれば叶うよ
 ああ 心にしみる ブルー
 永遠の輝き」

 

未来と書いて「あした」と読ませるのがセンスあるなぁと思います。
ものすごく前向きな歌詞なのに、なぜかちょっと切なくなる感じがグッときます。

 

・・・ちょっともうほんとに聖闘士星矢は語り出すと止まらないので、ここいらでやめときます(笑)

 

徳弘正也ジャングルの王者ターちゃん♡』

2期目OPより。 B∀Gの「mama I Love You」。


Jungle no Ouja Taa-chan (1993) ジャングルの王者ターちゃん OP2 - YouTube

 

いやぁこれ、観てましたね~(笑)夏休みこども劇場とかでやってるのを夢中で観てました。
ターちゃんの声優さんが岸谷五朗さんだったのには驚きです。でもなんとなくイメージに合ってるような・・・??

 

途中からだんだん観なくなってしまったので実のところストーリーを全部知ってるわけではないのですが、この歌だけはなぜかとても印象に残っています。

 

桐山光侍NINKU -忍空-』

まずはOPから。鈴木結女さん「輝きは君の中に」。


鈴木結女 - 輝きは君の中に - YouTube

 

メロディが直球ど真ん中ストライクの私好みです。あと歌詞がめちゃくちゃ深いです。ちなみに、この歌は私の十八番です(笑)

 

歌詞の冒頭部分、

 

「楽しい事でも 毎日続いたら
 それと気付かずに 退屈と変わらないね」

 

そしてサビ部分。

 

「ZIG ZAG 迷い続けてる
 近道なんてないのかな?
 だけど 楽しいだけならば きっと幸せ見失う」

 

楽しいだけの毎日なんて退屈でつまらないってことです。
こんな哲学みたいな歌詞が毎週土曜の18:30に流れてたんだと思うと、なんだか信じられないような気持ちです。(私の住んでいた場所ではこの時間帯の放送でした)

 

歌詞もさることながら、この鈴木結女さんの独特な声が曲調とかアニメの雰囲気とかにすごい合ってて、このアニメにこの人を起用した人マジ神やなと思いました。

 

忍空はEDも最高です。同じく、鈴木結女さん「それでも明日はやってくる」。

それでも明日はやってくる 忍空 ED - YouTube

 

「泣いて怒ったり そして笑ったり 誰かを愛したり いつも
 花は咲き そして散ってく それでも明日はやってくる」

 

サビの歌詞がグッときます。

 

・・・いかがでしたでしょうか?

 

アニメソングにはまだまだ秘めたる名曲がたくさんあるんですが、今回はこのへんで。

 

せっかくなので、シリーズ化していこうと思います。またネタ考えとかないと(笑)

 

読書感想:『コービーの海』

ベン・マイケルセンの『コービーの海』(すずき出版)を読み終わりました。

 

作者について

アメリカ合衆国の児童文学作家。南米、ボリビアで生まれ育つ。アメリカ西北部モンタナ州ボーズマン在住。徹底した取材にもとづく作品には定評があり、9作品で30近い受賞をするなど、各方面から高い評価を得ている。

引用元:ベン・マイケルセン『コービーの海』(すずき出版)

 

概要

海で出会ったのは、傷ついたクジラとその赤ちゃんだった――。事故で右脚の一部を失った少女コービーと、座礁したクジラ親子との心の交流、成長を描いた物語です。

 

内容紹介

コービーは、事故で右脚の一部を失った少女。4年前、8歳だった頃に自転車の事故に遭い、その日から彼女の人生は変わってしまいました。
彼女にとって、そんな事故の日のことなどのすべてを忘れさせてくれるものがありました。

 

それは、海。

 

コービーは、パパとママと一緒に船の上で生活しています。
ある日、コービーが自分用の小さなボート”ティットさん”で海を走っていると、一頭のクジラが網に引っかかってもがいていました。網がどんどん身体に食い込み、けがをしているようです。

 

コービーは夢中でクジラを助けます。網を取っ払うと、もう一頭そのクジラの下に見えるものがありました。それは、赤ちゃんクジラでした。

 

しかし、赤ちゃんクジラはどんどん海の底に向かって沈んでいきます。
なんとかしなくちゃ!夢中で海に飛び込み、コービーは助けようとします。

 

なんとか赤ちゃんクジラを海面に上げて呼吸をさせると、クジラ親子は無事に泳ぎ去っていきました。
コービーは、お母さんクジラを”レディ”と呼び、赤ちゃんクジラには”スクワート”と名前を付けました。

 

コービーが家族3人で生活している船「ドリームチェイサー号」に戻ると、ママが心配そうに声をかけてきました。コービーが右脚を失って以来、ママはひどく心配するようになり、コービーのやることなすことすべてに反対するようになっていました。挙げ句の果てに、コービーが命を落とさないうちに外出禁止にすると言い張ります。
パパは、自分の力でなんでもやってみなきゃだめだと言ってくれるのに。

 

2人の言い争いを聞くのは、コービーにとって耐えがたいことでした。それが自分の医療費のこととかの話だから、余計に嫌で嫌でたまりません。
その夜、パパとママがまた甲板で言い争っていました。ママは、明日になったらコービーを連れて船を出て行く、とパパに告げます。甲板に隠れていたコービーは、2人の話を聞いてしまったのでした。

 

ある日、学校が終わるとコービーはニッケルジャックの元に向かいました。
ニッケルジャックは年老いた男で、少々人間嫌いのところがありました。周囲の大人たちからは浮浪者扱いされているけれど、コービーにとっては彼は大好きな友だちでした。

 

クジラを助けたことをニッケルジャックに話すコービー。
しかしニッケルジャックは、自分から動物に触れてはいけなかった、相手がけがをしているのならなおさらだ、と注意します。

 

それでもクジラの様子が気になるコービーに、ニッケルジャックは「クジラを助けたいならどうしたって、クジラのように感じて、考えなくちゃならねえ」と告げます。
まだよくわからないコービーに、さらにニッケルジャックは言います。「心の声をよくきけ」と。

 

ある日、クジラを探しに出たコービーは、広い浅瀬に横たわっているクジラ親子を見つけます。あの二頭のクジラ親子――レディとスクワートでした。そばに別のもう一頭がいましたが、すでに死んでいるようです。

 

苦しそうにあえぐレディ。スクワートの目もどんよりしています。
二頭がいつからそこにいたのかはわかりません。しかし、このままでは死んでしまう・・・!

 

今にも倒れようとするレディを、コービーが必死で支えます。
このまま手を離してしまったら、レディの潮吹き穴が水に浸かってしまう。そうなると呼吸ができなくなる・・・。

 

どれほどの時間が経ったのか。辺りはもうすっかり暗くなっていました。
たった一人でレディに寄り添い、支え続けたコービーはしかし、疲れきっていました。こんな夜に浅瀬を横切ろうなんて船はまずいません。

 

しかし、その時ボートの音が聞こえてきました。それは捜索船で、アメリカ合衆国沿岸警備隊の人たちでした。彼らはコービーを探していたのでした。

 

ついに助けが来たにもかかわらず、コービーはその場を動こうとしません。自分が手を離したら、クジラが死んでしまうからです。
「死なせやしないよ」と言ったのはビルという隊員で、彼はブレントという隊員に「かわりにクジラを支えてやれ」と告げます。
やっと安心したのか、コービーはボートに乗り込み、その場にくずれおちました。

 

パパとママと合流したコービーは、レディとスクワートが無事に保護されるまでは帰れないと言い張ります。
そこで3人は少し様子を見に行くことにしました。

 

そこには、海洋保護班のメンバーがいました。
背の高い女性は海洋動物専門の獣医のマイクルズ先生、灰色のウエットスーツを着た海洋生物学者のマックス、他に地元の救護団体で座礁した動物を助ける活動をしているボランティア団体のポッド隊がいました。

 

マックスが、大きい方のクジラは助かる見込みがない、これ以上苦しませるわけにはいかないというようなことを言っているのが聞こえてきました。
「殺さないで!」と思わず駆け寄るコービー。レディとスクワートのことを説明すると、マイクルズ先生が言いました。

 

「このクジラが子どもの母親なら、命をすくう努力をするべきだわ。そうしないと子どもが生きのびられない」

 

こうしてクジラ親子はロンサム島で保護されることになりました。

 

ある日、コービーが学校で授業を受けていると、先生に呼び出されました。そこにはヒギンズ巡査という警官が立っていました。保護されたクジラの件でコービーに依頼があって来たのでした。

 

聞けば、母クジラがプールの壁に体当たりしていて誰も近寄れず、えさも薬もやれないし、血液サンプルもとれない状態だという。そこで、コービーならなんとかできるのでは?とマイクルズ先生が考えたとのことでした。

 

実は、浅瀬での保護活動の際、母クジラのレディは怒りの目を人間たちに向けていたのです。その時コービーがレディに話しかけると、途端にレディはおとなしくなりました。マイクルズ先生がその出来事を思い出し、コービーに白羽の矢が立ったのでした。

 

コービーはプールの上から必死で呼びかけますが、効果はありませんでした。レディがコービーのいる側の壁に向かって突進し、体当たりしてきたのです。

 

やはり無理なのか・・・このクジラは、このまま自殺するのではないか。

 

レディの対応についてどうするか口々に言い争いが始まる中、コービーは静かにプールに入りました。
一瞬の静寂の後、ママが必死で「もどってきなさい!」と叫びます。

 

コービーはかまわずプールの中を泳ぎ、クジラに近づきます。二頭はコービーのことを思い出したかのように、穏やかになりました。
そのままマイクルズ先生の指示に従い、レディを誘導します。治療のために男の人たちの手が触れても、レディはそれまでの態度からは考えられないくらいじっとしていました。

 

その日から、コービーも泊まり込みでクジラ親子の様子を見守ることになりました。
マイクルズ先生と一緒にテントで寝泊まりすることになり、ポッド隊のメンバーとして迎え入れられ、コービーは初めて「あたしだけのたいせつな場所」を見つけたような気がしました。

 

ある日コービーがレディの食事を手助けしていると、急にあたりが騒がしくなりました。見ると・・・なんと、クラスメートたちが全員こちらを見つめています。
校外学習としてプールの見学をしたいと学校から連絡があったのでした。

 

コービーはそのとき義足を付けていませんでした。ほとんどの子が、自分のむき出しになった右脚をじろじろ見ているのが感じられて、コービーはひどくうろたえました。

 

その時、マイクルズ先生がコービーの右脚を指さしながら言いました。

 

「わたしたちはすぐ、なくした脚に視線をむける。そして、たいていの人はそれしか見ようとしない・・・・・・脚は見えないけど。このゴンドウクジラたちは、もっと多くを見ています。はるかに多くを!クジラは超音波を使って、みなさんのことをすっかり見ぬけるのです。(中略)このクジラたちが信頼しているのは、コービーだけです。いろんな超音波を使って、コービーの心のなかにあるとくべつなものを見ぬきました。わたしもみなさんも、それをさぐりあてるには何年もかかるかもしれません。クジラたちは、信頼できる友だちを見つけたのです。このすばらしい生きものに、わたしたちはたいせつなことを教わりました。何があっても相手の心に目をむける、ということです」

 

コービーは、みんながまだじろじろ自分を見ているけど、気にならなくなりました。みんなが見ているのは、短い右脚じゃなくて「あたしという人間だ」ということがわかったからです。

 

その日からコービーは変わりました。今までは長ジャージばかりはいて義足をみんなの前で見せることなどなかったのに、学校の体育の授業で思いきって短パンを履いてみたり、ショートパンツで登校するようになりました。ベッキーという新しい友だちもできました。

 

コービーは、自分が義足であるという事実を、少しずつ受け入れるようになっていったのです。

 

・・・やがて、ハリケーンの進路がコービーたちの住むフロリダキーズ諸島に上陸するという情報がありました。
パパ、ママ、コービーは、ニッケルジャックとともに船を出し、なんとかハリケーンを乗り切ることができました。

 

ハリケーンの被害は、レディとスクワートのいるロンサム島でもかなりのものでした。しかし二頭とも無事にハリケーンを乗り越え、元気にプールで泳いでいました。
ハリケーンの影響で学校がしばらく休校になったため、コービーは毎日二頭と一緒にプールで遊ぶようになりました。

 

ある日の夕方、マイクルズ先生が告げます。

 

「あのね、コービー。友だちのことなんだけど、家に帰る準備ができたの。明日、海にはなすわ」

 

コービーも、二頭にはまた海を自由に泳いでほしいと思っていました。そのためにみんなで懸命に治療にあたってきたのですから。
だけど、突然その日がやってくるとなると、やはり泣きたい気持ちになるのでした。

 

翌日、レディとスクワートはボートに乗せられ、旅立ちを見守る人々とともに海にやってきました。
遠くからでも、イルカの群れがいるのが見えます。ゴンドウクジラはイルカの仲間。レディとスクワートも、あの群れの中に入れるだろうか・・・。

 

ついにボートからクジラ親子が降ろされます。レディはぐんぐんスピードをあげていきますが、スクワートはそわそわしています。
海に入っていた人たちは全員船に上がりましたが、コービーは人々の制止も聞かず二頭に向かって泳いでいきました。

 

手を伸ばし、スクワートに触れる。一緒にぐるぐるまわる。
・・・息継ぎのために水面に顔を上げると、ニッケルジャックの声が聞こえてきました。

 

「コービー、そいつらを自由にしてやる時間だ!」

 

コービーは、この子たちが大好きだからと振り向いて言います。

 

「それはわかっとる」ニッケルジャックが大声で叫びます。「だからこそ、いま自由にしてやらないといかん」

 

スクワートはなおもコービーと遊ぼうとしてコービーの身体をつつきます。
しかし、ニッケルジャックが正しいとわかったコービーは、振り向かないようにして船に上がりました。

 

あふれる涙。

 

やがて、スクワートは尾びれで水面を叩いて、レディのもとへと向かいました。

 

振り向くコービー。スクワートがレディと合流すると、親子はのんびりと泳ぎはじめます。
やがて、遠ざかるふたつの背びれは、ずっと向こうに見えるイルカの群れにとけ込んでいきました。

 

誰の目にも、涙が浮かんでいました。それは、様々な感情の入り交じった涙でした。

 

パパとママがそっと近づいてきて、コービーを抱きしめました。
イルカの群れのかすからきらめきが消えていくのを三人で見つめる場面で、物語は幕を閉じます。

 

感想

クジラやイルカが人間と心を通わせるという話はよく耳にしますが、この物語もまた、一人の少女が座礁したクジラ親子と心を通わせ、それぞれが抱える「傷」を癒していく物語です。

 

コービーのように、不慮の事故によって身体の一部を失ってしまうことは、この世の終わりだと感じるほど辛く、苦しいことだと思います。

 

また、たとえ目に見えるものでなかったとしても、外からはわからない傷を心の中に抱えていたりすることは、人間なら誰しもあるものだと思います。
それがコンプレックスとなり、自分の殻に閉じこもってしまう場合も多いでしょう。

 

コービーもまた、右脚を失うという辛い体験をし、両親が言い争いばかりしているという「傷」を抱えていました。

 

二頭のクジラとの出会いや治療にあたる人々との出会いを通し、コービーは少しずつ自分の殻を破っていき、人前で義足を見せることを気にしなくなっていきました。
そして、そんな自分をだんだん好きになっていきます。

 

・・・コービーに限らず、自分の過去を受け入れること、ありのままの自分を受け入れることは、人間にとってとても勇気のいることだと思います。

 

私自身も、目を背けてしまっている過去はありますし、受け入れたくない現実もいくつもあります。そしてそれは今でも現在進行中だったりするのですが・・・。

 

人が抱える「傷」は、簡単には癒えないものが多いと思います。

 

だからこそ自分自身としっかり向き合うこと、そして目の前にいる人の「心」に耳を向けること――当たり前のようで難しいこれらのことを、この物語から教えてもらいました。

 

 

二週間ぶりに・・・

古本屋さんに行ってきました。毎度毎度、よく飽きないなぁと自分でも思います(笑)

 

今日は天気もとても良くて暑いくらいだったし、先週体調を崩してからの一週間ほぼ一歩も家の外に出ていなかったので、気分転換でもと夫に車を出してもらいました。

 

今日の戦利品は下記の通り。

 

矢口史靖ウォーターボーイズ』(角川書店
吉村葉子・宇田川悟『パリ20区物語』(講談社
斎藤茂太『時間の使い方のうまい人・へたな人』(三笠書房
浅井信雄『民族世界地図 最新版』(新潮社)
安藤宏基『カップヌードルをぶっつぶせ!』(中央公論新社
杉浦さやかベトナムで見つけた』(祥伝社
ロベルト・バッジョロベルト・バッジョ自伝 天の扉』(ゴマブックス
ロベルト・バッジョロベルト・バッジョ自伝Ⅱ 夢の続き』(ゴマブックス
日比野宏『アジア亜細亜 無限回廊』(講談社

 

これだけ買っても990円!古本屋さんってほんとすごいですね。

 

この中で一番気になるのは・・・やはり、ロベルト・バッジョの自伝でしょうか。

 

ロベルト・バッジョといえば、「イタリアの至宝」と呼ばれるサッカー界のスーパースター。
サッカーに詳しくない私ですらバッジョの名は耳にしたことがありますし、ものすごい人なんだということは知っています。
あと、めちゃくちゃイケメンですよね。(そこ?)

 

本棚を片っ端から見ていったときに、一番最初に目に留まったのがこの本でした。これから読むのが楽しみです。

 

今日は他にも、面白そうな本をいっぱい見つけてきました。

 

『時間の使い方のうまい人・へたな人』は、ぜひともすぐ読まなければいけない本かなぁと思っています。
仕事もそうだし、日常生活の中でももっとうまく時間を使えたらいいのにって思う瞬間があるのは私だけではないはず・・・。

 

ウォーターボーイズ』は映画やドラマにもなったのでご存知の方も多いかと。原作は今まで読んだことがなかったので、せっかくなので購入してみました。

 

カップヌードルをぶっつぶせ!』は、もうそのタイトルの強烈さに惹かれて即購入しました(笑)
みんな大好きカップヌードルだけど、それをぶっつぶせ!とは一体どういうことなのか。こちらも読むのが楽しみです。

 

・・・読むのが楽しみだと言っている本が、気付けばこうやってどんどんどんどん増えてきました。もうリアルに、机の上にどんどん積み上がってきてます(笑)

 

本当にちゃんと読んでいるのか!?という疑問については・・・ちゃんと読んでいるけど追いついていない、といったところでしょうか。
2~3日に1冊のペースで読むのが理想ではあるのですが、なかなか理想通りにはいかないのが現実ですね。

 

ここ何ヶ月かは、土日とかを使って1日に2~3冊読んだりしてます。もうそれこそ寝食を忘れてのめり込んでます。

 

洗濯物干したりとか部屋の片付けとか食事の用意とか、やるべきことはたくさんあるのに、それを全部あとまわしにして読書の時間に充ててしまうという・・・ダメダメな妻です。

 

そんな私に夫は文句を言うこともなく、「まぁいいんじゃないの~」となんともおっとりしているのですが、申し訳ないやらなんやら。

 

やっぱり『時間の使い方のうまい人・へたな人』を何よりも先に読まないといけないですね(笑)

 

読書感想:『大地のランナー ――自由へのマラソン』

ジェイムズ・リオーダンの『大地のランナー ――自由へのマラソン』(すずき出版)を読み終わりました。

 

作者について

1936年イギリス、ポーツマス生まれ。児童文学作家、小説家。複数の大学で教え、ジャーナリストでもある。幼少期に戦争を経験し、若者と戦争をテーマとした作品を発表しつづけ、カーネギー賞、ホイットブレッド賞などにもノミネートされる。2002年には、南アフリカで開催されたオリンピック・コングレスで基調講演を行うなど、幅広く活躍。2012年死去。

引用元:ジェイムズ・リオーダン『大地のランナー ――自由へのマラソン』(すずき出版)

 

概要

マンデラ大統領の誕生とともに「虹の国」として生まれ変わった南アフリカ共和国。しかし、そこに至るまでには、あまりにも多くの血が流されてしまった。自由と正義を勝ち取るために――。南アフリカ共和国初の黒人オリンピック金メダリスト、ジョサイア・チュグワネの体験をもとにした、「走ること」でアパルトヘイトに闘いを挑んだ一人の男性の物語です。

 

内容紹介

サミュエル、通称サム。彼は、走ることが大好き。走ることが一番の特技であり、喜びです。近所の人たちや友だちからも一目置かれていたし、走ることが何よりの楽しみでした。

 

ある秋の日。サムの住むタウンシップでは、いつもとはどこか町の雰囲気が違っていました。聞けば、警察署へ行って身分証のことで抗議をするという。
この当時の法律では、白人以外の南アフリカ国民は「パス」と呼ばれる身分証を携帯させられており、住所や職業までもが管理されていたのでした。

 

警察署に集まる人びと。サムとその家族も集まりました。Tシャツにジーンズ姿の6人の若者たちが進み出て、大声で叫び始めます。

 

突然、ライフル銃を手にした制服姿の黒人警官の長い列が、鉄の門扉の外に現われました。
白人警官の命令により、若者たちに向けられる銃口
まさか撃たないだろうと思っていた群衆の予想に反して、銃声が響きました。

 

あたりは一瞬のうちに戦場と化し、銃撃が繰り広げられます。
逃げるサム一家。しかし、父さん、母さん、幼い妹のサリーは、背中を撃たれてしまいました。

 

・・・気を失っていたサムが意識を取り戻すと、悪夢のような光景が広がっていました。血の海に横たわる死体。数え切れないほどの負傷者。

 

教会内に避難したサムはそこで、離ればなれになっていた長兄ルックスマートと次兄ニッキーを見つけます。次兄は脚をやられたようでした。

 

サムとルックスマートは、身分証の登録のため役所に赴きます。しかし、役所の所長は、身分証を突き返しながら冷たく言い放ちました。

 

「白人の役に立たない黒人は、部族別の居住地、ホームランドへ行くことになっている。それがこの国の法律だ」

 

タウンシップを追い出された兄弟は、ホームランドに住むサバタおじさんに手紙を書き、そのうちに返事がきてホームランドに移住することになりました。

 

出発の日、駅のホームで目的地に向かう列車に乗り込もうとしたサム。
客車の中に駆け上がった瞬間、気付いてしまいました。そこが白人専用車両だったことに。
あわてていたので、客車の入口に掲げてあった看板に気付くことができなかったのです。

 

下車しようとした白人女性は悲鳴を上げました。それを聞いて駆けつけてくる黒人車掌。
車掌は怒鳴りました。「おりろ、黒人のくせに!」
そしてサムの首根っこをつかみ、列車から引きずり下ろします。

 

車掌は取り乱している白人女性たちの方を向き、「すみません、バース。すみません、バース。」と謝り続けていました。(バースとは、アフリカーンス語で「ご主人様」といった意味)
この出来事は、サムが初めて、しかしはっきりとその身に体験したアパルトヘイトでした。

 

列車が到着し、サバタおじさんのもとに無事たどり着いた二人。サバタおじさんは集落の族長でした。
二人の兄弟はこの集落の一員として迎え入れられました。

 

やがて16歳になったルックスマートは、族長の力添えもあってまともな仕事に就きました。男の子は16歳になると、一人前の大人として扱われるのです。
サムはルックスマートを羨ましくも思いましたが、そんなサムにも時は流れていき、この土地を愛するようになります。

 

身体を鍛えることが趣味だった族長は、毎朝男の子たちを連れて走りに出ていました。サムもそこに加わり、いつしか族長とペースを合わせて走るようになっていました。

 

ある日、サムは右足首を痛めてしまいます。その痛みが少しずつよくなってきた頃、族長が見舞いにやってきました。彼はサムに告げます。

 

「サミュエル、おまえには長い距離を走る素質がある。もしかしたら、マラソンだって走れるかもしれんぞ」

 

サムは、「マラソン」という言葉を知りませんでした。これが、マラソンとサムとの初めての出会いでした。

 

族長は、話し始めます。オリンピックと呼ばれる競技会があること。その競技会がどうして生まれたのか。マラソンはいつから始まったのか。

 

サムはこの話に心を奪われました。

 

族長が続けます。時は1896年、アテネオリンピック。そこでのマラソン競技で起こった、様々なドラマ――。

 

族長の話を聞いたサムは、いつか自分もオリンピックのマラソンに出場してみせると誓ったのでした。
しかし、サムはまだ知りませんでした。南アフリカ代表として走ることは、白人にしか許されていないことを。

 

その後、サムは一人でさらに長い距離を走るようになります。
16歳の誕生日を迎えたばかりのある日、族長はサムを呼び出しました。将来についての話をするためです。

 

族長はここで、オリンピックについて再び話し始めました。
メルボルン大会で、マラソンで初めて優勝した黒人ランナーの話、アフリカの黒人として初めて金メダルをとった選手アベベ・ビキラの話。

 

話を聞いて、サムの頭の中は走ることでいっぱいになりました。

 

やがて、サムは妻を迎え、兄と同じように村を離れ、鉱山に働きに出るようになります。そこで、同い年の若者で同じく走ることが好きなシメオンと友だちになります。

 

少しずつ力をつけてきた二人は、1年もたたないうちに長距離ランナーとして認められるようになりました。
鉱山労働者の競技会に出場し、サムはこの大会で初めてマラソンに参加し、初めて優勝したのです。

 

二人は、なんでも話し合える仲でした。どうすればアパルトヘイトが終わるのか。二人とも、白人政府の人種差別政策を憎んでいました。しかし、やり方がわからない。

 

やがてシメオンはサム宛の短い手紙を残し、姿を消してしまいます。
シメオンは、銃をとることでアパルトヘイトと闘うことを決めたのでした。ANC、アフリカ民族会議とともに。

 

サムは決意します。

 

「おれは、この足で闘うよ。いつか、白人たちがおれたちと同じレースで走らなきゃならなくなったら、どっちが強くて速いか教えてやる」

 

サムが鉱山で働き始めてから3年後、その日がやってきました。
長い闘争の末についに白人政府が折れ、黒人指導者ネルソン・マンデラをはじめとするすべての政治犯が釈放されたのです。

 

サムもテレビでその瞬間を見ていました。長身で細身、白髪まじりの男が、刑務所の門を歩いて出てくる映像を。

 

これは、全南アフリカ国民の人生を大きく変える出来事でした。その後の1年でアパルトヘイトは急速にくずれ、1991年7月9日、ついに南アフリカはオリンピックへの復帰を認められたのです。
1992年のバルセロナオリンピックには、南アフリカからは人種制限のないチームでオリンピックへの参加が可能になったのでした。

 

しかし、サムはこの時21歳。まだオリンピックに出るにはあまりにも未熟だったのです。いつかオリンピックに出るために準備をしようと、決意を新たにするのでした。

 

1994年4月27日。南アフリカは運命の日を迎えます。全人種参加選挙。この選挙により、ネルソン・マンデラは大統領に就任し、南アフリカは「虹の国」への道を歩み始めました。

 

人種の壁がなくなったことにより、サムは国内のレースに白人選手たちとともに出場できるようになりました。
友好的に接してくれる白人選手もいれば、長年の差別はそう簡単にはなくならないと痛感する出来事もありました。

 

しかしサムは、走り続けました。それが自分にできる、唯一のことだったからです。

 

やがて、サムの成績は陸上競技連盟の目にとまり、オリンピックの前年、ホノルルマラソンのメンバーに選ばれました。
そして連盟の幹部たちは、南アフリカから出場するランナーの3人目として、当然のごとくサムを選びました。

 

1996年、アトランタオリンピック。サムのマラソン世界ランキングは41位。世界はあまり彼に注目していませんでした。

 

サムは走りました。足が重い。息がきしむ。追い上げられる。もうダメだ・・・。
それでも、サムは走り続けました。大統領のために。南アフリカの大地に生きるすべての黒人のために。

 

そして勝利への意志が突き抜けたとき、ついに彼は手にしたのでした。
栄光の金メダル――長い、果てしない闘争の果てに南アフリカが掴んだ、自由と正義という名の勝利の金メダルを。

 

オリンピックスタジアムでは、金メダルを握りしめたサムが、ネルソン・マンデラの自伝『自由への長い歩み』を思い出していました。

 

彼は、こうつぶやきます。

 

「赦してください、マディバ。言葉を少しいじってしまいました。わたしは、自由への長い道を走ってしまったのですから・・・・・・」

 

そっと微笑むサムとともに、この物語は幕を閉じます。

 

感想

まず一言、私はこの本を涙なしに読むことはできませんでした。

 

自由と正義を勝ち取るために、あまりにも大量に流された血――アパルトヘイトという人種隔離政策によって多くの人が苦しめられ、虐げられてきました。
そして、愛する祖国を取り戻すために闘った人たちがいました。

 

その痛み、悲しみは、私には想像することすらできません。想像したところで、何ができるわけでもありません。

 

サムは、走ることでアパルトヘイトに立ち向かおうとします。様々な紆余曲折を経て、ついに彼が手にした勝利の金メダル――。私はそこで目の前がにじんで文面が見えなくなりました。

 

オリンピックは、平和の象徴とよく言われます。
私も夢中でオリンピックの中継を観ていました。日本人選手が活躍するとやっぱり嬉しいし、あまり調子がよくないと、家の中でもつい声をはりあげて応援してしまいます。

 

オリンピックという舞台には、様々なドラマがあります。

 

メダルを逃してしまって泣きじゃくる選手に、ライバルであるはずの他国の選手が優しく声をかける。
転倒して動けなくなった選手に、レース中にもかかわらず手を貸しながら一緒に歩いてゴールへ向かう他国の選手。

 

選手たちは、誰もが自分の人生をかけて闘っています。でもそこには、単にメダルをとるだけじゃない、作り話みたいなほんとうの話が確かにあります。

 

オリンピックという場はまさに、マンデラ大統領の目指す「民族融和」が形になっているんだと思いました。
そんなオリンピックを批判する人もいるけれど、私は好きです。

 

2020年。本来はこの年に東京オリンピックが開催される予定でした。
コロナの影響で2021年に延期になり、その2021年も本当に開催できるのか誰もが疑問視しています。

 

私自身も、この状況の中では開催してほしいとは正直思いません。

 

でも、いつか、いつか必ずまた、世界の一流のスポーツ人たちが、世界一の熱い戦いを見せてくれることを心から祈っています。

 

・・・話は変わって、この本を読み終わって私が真っ先に思い浮かべたのは、2009年に公開された映画『インビクタス/負けざる者たち』でした。

 

アフリカのラグビーチームに焦点をあてており、アパルトヘイト撤廃後も未だ続く差別や経済格差の残る南アフリカ共和国において、マンデラ大統領がスポーツの力によって民族融和を目指していく内容です。

 

こちらもアパルトヘイトの描写があり、深く考えさせられる映画になっています。
興味のある方は、あわせて観てみてください。

 

アニソンの話~ガンダム編~

昨日ちょこっと漫画とアニメについて語っていたら、急にアニソンが聴きたくなったのでいろいろ聴いてました。

 

アニソンって、いいですよね。たかがアニメ、なんてバカにできないくらい本当に名曲揃いです。
友人とカラオケに行ったときはアニソン縛りなんてのもよくやってました(笑)

 

最近の文明の利器はすごいですね。
古いアニメでも今は簡単に観ることができるようになったので、まとまった時間が持てるようになったらまたじっくり観たいです。

 

・・・さて、今日は数あるアニソンの中でも名曲が多い「ガンダム」シリーズについて語ろうと思います。

 

早速はじめましょう!

 

機動戦士ガンダム

まずはこちら。井上大輔さんの「哀 戦士」。


【MAD】機動戦士ガンダム 哀 戦士 - YouTube

 

ガンダムの原点である、シリーズ一番最初の作品です。
「哀 戦士」といえばGACKTさんがカバーされていたことでも有名なので、こちらで馴染みがある方もいらっしゃるかもしれません。

 

が、私は断然、オリジナル派です!めちゃくちゃかっこいい。そして泣けます。
歌い出しの「哀 ふるえる哀」で、魂がふるえます。あかん、勝手に涙が・・・。

 

「名を知らぬ 戦士を討ち
 生きのびて 血へど吐く」

 

本当は戦いたくなんかないのに、殺したくなんかないのに、それでも戦場に出なければならない者たち。
生きのびたからといって決して幸せな人生にはならなくて、自分が殺した相手のいのちの重さを背負って生きていく――。

 

ものすごく深い歌詞だと思います。

 

あと、漢字に「愛」じゃなくて「哀」を使っているところが、ガンダムシリーズに共通する物語のかなしさを表していると思います。

 

新機動戦記ガンダムW

まずは1期目のOPから。TWO-MIXの「JUST COMMUNICATION」。


Gundam wing AMV - just communication - YouTube

 

イントロが神がかってます。これまたかっこいい・・・実は、私のカラオケでの十八番でもあります(笑)もちろんコロナが流行し始めてからは行けていませんが。

 

ところで、あれ?どこかで聞いたことのある声だな、と思ったそこのあなた!
「TOW-MIX」と聞いてピンと来る方もいらっしゃるかもですが、実は声優の高山みなみさんがボーカルをつとめています。
ところどころコナン君っぽく聞こえるなんてことは言わないでください(笑)

 

Wには2期目のOPもあります。私はこちらの方が好みですね。
歌っているのは1期目と同じくTWO-MIXで「RHYTHM EMOTION」です。


ガンダムW OP【RHYTHM EMOTION】 - YouTube

 

2分21秒あたりからの間奏がもう・・・鳥肌が立つほど好き。ここだけずっと聴いていたい(笑)

 

ガンダムWは、メカのカッコ良さがとにかく素晴らしいと聞いています。
これが放送されていた当時、私は小学生頃だったはずなのでリアルタイム世代ではあるんですが、その当時の私は全然興味がなくてほとんど内容を知らないんです。

 

でも歌だけはなぜか耳にずっと残ってるんですよね・・・。ゆっくり時間が取れたらいつかきちんと観てみたいアニメです。

 

機動戦士Vガンダム

お次は、川添智久さんの「STAND UP TO THE VICTORY 〜トゥ・ザ・ヴィクトリー〜」。


AMTV 機動戰士V鋼彈 BD OP1 STAND UP TO THE VICTORY ~トゥ・ザ・ヴィクトリー~ - YouTube

 

聴いてのとおり躍動感あふれる曲なのですが、曲のイメージに反して物語の内容はかなり重いです。

 

しばらくフリーターをしていた頃、アルバイト先の知人がこのアニメが大好きとのことでDVDを借りて観てみたんですけど、あまりにも内容がしんどすぎて途中でやめました・・・(笑)

 

もうね、人がバンバン死んでいくんです。
ガンダムってどの作品でも人が死ぬシーンは描かれていると思いますが、この作品に関してはほんとにもうトラウマになりそうなくらい、次から次へと死んでいきます。
めっちゃ辛いです・・・。なのでもう途中で観るのが辛くなってしまって挫折したという経緯があります。

 

この歌は、二番の歌詞がいろいろ考えさせられます。

 

「子供の頃の小さな思い出 時がこわしてゆく」というフレーズもそうですし、サビの部分は特に深いです。

 

「STAND UP TO THE VICTORY
 その向こう側にたとえ
 悲しみが待っていたとしても
 信じて欲しい
 君の 涙を 見たくないから」

 

勝利の向こう側に待つ悲しみ・・・戦争というものは、勝ったところで何も残らないんだということを教えてくれている気がします。

 

機動戦士ガンダムSEED

最後はこちらで締めましょう。T.M.Revolutionの「INVOKE -インヴォーク-」。

 YouTub[MAD]鋼彈SEED『INVOKEーインヴォークー』 - YouTube 

 

マジもうこれは本当に神曲。イントロからして最高です。歌詞もちゃんと世界観を表してる!

 

一番の歌詞にある、

 

「淋しさに汚れた 腕で抱いた
 それ以外の何かを 知らないから」

 

という部分は、まさにキラの目線で語られているし、二番の歌詞のサビの直前で

 

「愛が先なのか 壊すのが先か 惑わされる」

 

と歌われているのは、キラに対するフレイの感情の動きがよく表れていると思います。

 

・・・この作品に対してだけずいぶん饒舌やなぁと思われるかもしれませんね。
実は、私がガンダムシリーズで一番最初にハマったのが、この『ガンダムSEED』でした。
キャラクターが美形だからというわけではなく(まぁそれも少しはありますが)、やはり作り込まれた世界観とメカのカッコ良さが抜群だったからです。

 

アニメも全部観たし、ライトノベル版も読みました。

 

かなしいです。とにかく、かなしい。親友どうしが戦うなんて・・・。

 

続編の『ガンダムSEED DESTINY』ももちろん全部観ました。
SEEDシリーズについては語り出すと止まらなくなるので、もうこのあたりでやめときます(笑)

 

余談ですが、私は二つ違いの兄がいて、その兄は子どもの頃ガンダムにハマってました。カードダスとか、SDガンダムのプラモデルとか、よく作ってましたねぇ。
で、それを横で見ながら私もプラモ買ってもらって作ったりしてました。

 

プラモ作りは今でも時々やっています。ペイントとか、そんなガチなところまではいきませんが、こういうの作るのはもともと好きなんです。

 

久々に並べてみました。

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左はジャスティスガンダム(ZGMF-X09A)、右はストライクフリーダムガンダム(ZGMF-X20A)。
ちょっとホコリっぽいですが、そこはご愛嬌ということで・・・(笑)

 

中国と私~漫画・アニメ編~

今回は、私が今までに読んだ漫画や観たアニメの中で、中国を舞台にしたものをご紹介しようと思います。

 

渡瀬悠宇ふしぎ遊戯』(小学館

フラワーコミックスで連載されていた少女漫画で、バリバリの恋愛ファンタジーです。かなーり濃厚なシーンが多いです(笑)

 

ヒロインの美朱(みあか)はドジでおバカで食いしん坊、親友の唯(ゆい)は美人で頭が良くて男の子にモテモテ。

 

中学3年生のこの2人が本の中の世界に吸い込まれて、たどり着いた先の異世界で「巫女」となって国を守り、愛する人のために戦うというストーリーです。
第一部の終盤では、現実世界も巻き込んでの一大闘争に発展します。なかなかにすごい・・・。

 

恋愛がメインのお話なので、トキメキが欲しい人にはぴったりかもしれません。少女漫画の例に漏れず(?)、登場する男性キャラも美形ばかりですし。

 

おまけに絵も綺麗ときたら・・・そりゃあね、ハマりますよね。

 

連載当時は確か私は小学生とかだったハズですが、セーラームーンとほぼ同時期だったこともあって、クラス中の女の子たちが必ずどちらかの作品に夢中になっていたかと記憶しています。

 

私はといえば、実はリアルタイムではまったく観ていないです。(内容が内容なので、当時の私はただただ気恥ずかしかった・・・)
コミックを買ったのは大人になってからだし、アニメは夏休み子ども劇場とかDVDとかで観ました。

 

そういや、母もハマってましたねぇ。
星宿(ほとほり)様がやばいねん、かっこいいねん・・・ってウットリしながら内容を話してくれたことを覚えています(笑)

 

あ、星宿というのは登場人物の一人で、一見女性と間違えてしまいそうなほどの美しい男性です。うん、確かにね、かっこいいですよ。
でも私は井宿(ちちり)が一番好きです。

 

余談ですが、私の本棚にはこんな感じで収まってます。漫画文庫版で全巻揃えました。

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藤崎竜封神演義』(集英社

お次は、ジャンプで連載されていた少年漫画です。一言でいうと、バトルものですね。

 

主人公の太公望(たいこうぼう)が仲間たちを集め、宝貝「パオペエ」という仙界の道具を駆使しながら強敵・妲己(だっき)に立ち向かっていくというストーリーです。

 

描写はけっこうグロいかも?キャラクターがバンバン死んでいきます。
そして物語の最後の方はもうわけがわかりません。少なくとも私は、一回読んだだけでは理解できませんでした・・・。

 

コメディ要素も多いので、ただの戦闘漫画という括りで見ていたら突然笑わされたりします。不意打ちには要注意ですね。
あと、聞仲(ぶんちゅう)の強さは異常。

 

実は、『封神演義』は全巻揃えていました。しかも完全版で!

 

当時は学生だったので決して簡単に買えるわけもなく、一冊一冊必死の思いで購入しました。
・・・なんですが、卒業して実家に戻るにあたり、どうしても実家には置くスペースが無いからと、泣く泣く売りに出したんです(涙)

 

ちなみに、黄天化(こうてんか)が私の一番好きなキャラです。

 

横山光輝 三国志

原作は、横山光輝の漫画『三国志』(潮出版社)ですが、私が観ていたのはアニメです。子どもの頃によく観ていました。
放送時期を調べてみると私が小学生になる前あたりだったので、私が観ていたのは両親がビデオで録画したやつとかだと思います。

 

私が中国との接点を一番最初に持ったのは、思い返せばこのアニメかもしれません。
もっとも、その当時から「中国」というのを意識していたのかというとそうではなくて、まだ子どもだったのでたぶん何も考えずに観てたんだと思います(笑)

 

劉備関羽張飛趙雲孔明曹操孫権呂布董卓・・・登場人物たちの名前をひとりずつ、兄と交互に言い合ったりとかしてました。
私はとにかく曹操に夢中でしたね。

 

アニメのオープニング曲がめちゃくちゃかっこいいです。
個人的には『時の河』が好みなんですが、なかなかOP動画が見つけられず・・・『DON'T LOOK BACK』を見つけたので載せておきます。

 

あぁでもこっちもこっちでかっこいい。そして懐かしすぎる・・・。


横山光輝 三国志 【OP2】 - YouTube