行雲流水 〜お気に召すまま〜

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読書感想:『お任せ!数学屋さん』

向井湘吾の『お任せ!数学屋さん』(ポプラ社)を読み終わりました。

 

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作者について

1989年神奈川県生まれ。東京大学卒業。高校在学中、日本数学オリンピック予選にてAランクを受賞し、本選に出場。好きな分野は数列。大学では体育会の剣道部に所属し、レギュラーとして、全日本学生剣道優勝大会に出場。四段を保有

引用元:向井湘吾『お任せ!数学屋さん』(ポプラ社

 

内容紹介

中学2年生の遥(はるか)は、数学が嫌い!

 

そんなある日、「数学で世界を救うこと」が将来の夢と語る不思議な転校生・宙(そら)がやってきます。

 

「数学屋」を開店し、生徒たちが抱える様々な悩みを数学を駆使して解決していく二人。

 

数学と関係がないことはこの世界に存在しないと言い切る宙でしたが、ある日、彼はついに数学では説明のつかない難題に直面します。

 

果たして、二人はその難問を数学で解決することはできるのでしょうか――。

 

感想

数学をテーマにしており数式や数字がたくさん出てきますが、非常にわかりやすくて面白かったです!

 

中学校が舞台でそこに通う生徒たちがこの小説の主役なので、小難しい会話などが出てこないのも読みやすかった理由だと思います。

 

私自身は遥と同じで、数学が大のニガテ・・・。

 

赤点さえ取らなければ良いというレベルだったので、数学好きの不思議な転校生・宙とあまり関わらないようにしようと思う気持ちは共感できます(笑)

 

数学嫌いの遥がなぜ宙とともに数学屋をやることになったのか。

 

宙は遥がそのとき抱いていた悩みを数学を使って解決するわけですが、これが見事!としか言いようがないくらい的を射ていて、納得の説明でした。

 

数学って、奥深いんですね。

 

私の勝手な偏見ですが、数学好きな人って、確かにちょっと変わり者が多いような気がします(数学好きな方を否定する意図はまったくありません)

 

数学が好きという理由を聞いてみると、必ず正解があるということや、答えを導くまでの過程が楽しいというのが多かったですね。

 

あとは、答えが出たときの爽快感が良い、とか。

 

数学嫌いな私にはなかなかその気持ちは理解しがたいのですが、でも日常生活を送る上で数学って本当に大事なんだなということは実感しています。

 

「数学と関係がないことなんて、この世界に存在しないよ」と宙が言っているように、数字って、私たちの生活に溢れていますよね。

 

スーパーで買い物するときはもちろん、電話番号や住所、誕生日、身長や体重、車のナンバー、数え上げればキリがありません。

 

当たり前のように目にしている何気ない数字でも、「数学」として考えるといろんな発見があったり、頭の体操になったりするのかもしれません。

 

ただ、本作では数学ではなかなか答えを出せない難問も出てきます。

 

それが何かはネタバレになってしまうので書きませんが、読んだときは私も「こればっかりはなぁ・・・」という気持ちでした。

 

その難問に対し、遥と宙はどう解決していくのか。

 

彼らが数学を駆使して導いた答えには「なるほど!」と頷くばかりでした。

 

私自身は小難しい数学の理論や数式はまったく理解していないけれど、彼らの奮闘ぶりや考え方はすごく素敵だなぁと思いました。

 

本作では中学生ならではの甘酸っぱい青春も描かれています。

 

中学生ってまだまだ自分の気持ちがわからなかったりするけど、「いいなぁ、青春やなぁ・・・」と微笑ましい気持ちで読んでました。

 

まぁ、宙のような子が実際に自分のクラスメートにいたら、私なら完全に引いてしまってると思いますけどね(笑)

 

数学が苦手な人も好きな人も、興味があれば一読してみてくださいね(^^)