行雲流水 〜お気に召すまま〜

好きなことを好きなように好きなときに書くブログです。

読書記録:2021年1月

ジャック・ロンドンどん底の人びと』(岩波書店
森毅『魔術から数学へ』(講談社
オスカー・ワイルド『ドリアン・グレイの肖像』(岩波書店
マリー・ピエール・カルティエ、イヴォンヌ・ウィタカー『素顔のダイアナ妃』(新潮社)
J・R・R・トールキンシルマリルの物語(上)』(評論社)
ティム・ボウラー『星の歌を聞きながら』(早川書房
ライマン・フランク・バウム『オズの魔法使い』(福音館書店
平松洋子谷口ジロー『サンドウィッチは銀座で』(文藝春秋
紅山雪夫『フランスものしり紀行』(新潮社)
ジェームズ・クリュス『笑いを売った少年』(未知谷)
永六輔坂本九ものがたり』(中央公論新社
ジャネット・S・アンダーソン『最後の宝』(早川書房
中山幹『すしの美味しい話』(中央公論新社
ユーリー・クルトゴーロフ『雪原の果てに』(佑学社)
ヨハンナ・シュピーリ『ハイジ』(福音館書店
池波正太郎『散歩のとき何か食べたくなって』(新潮社)
勝見明ソニーの遺伝子』(日系BPM
V・M・ジョーンズ『バディ』(PHP研究所

 

計18冊

 

こうして列挙してみると、食べ物に関する書籍が多いことに気づきました(笑)
でも「食べる」って生きていく上で絶対に必要なものですし、自分自身美味しいものには(実際にはとても手が出ない値段でも)興味があるので、自然と手に取りたくなるのかもしれません。

 

1月に読んだ本の中からいくつかピックアップして感想やらを少々。

 

マリー・ピエール・カルティエ、イヴォンヌ・ウィタカー『素顔のダイアナ妃』(新潮社)

タイトル通り、ダイアナ妃(当時)の素顔について様々な写真を混じえて語られています。

 

ダイアナ妃といえば、1997年の事故死――。
私自身はこの頃まだガラスの10代。世の中の出来事以前に自分自身のことで精一杯な時代でしたが、そんな私でさえも衝撃を受けたニュースでした。

 

話を戻して。

 

この本の中で語られていることは、プリンセスをはじめ王室についてあれこれ知りたがる一般人の気持ちを大変よく心得ていると私は感じました。
と同時に、王室で生きるって大変なんだなぁと思わせられる一冊でもありました。

 

プリンセスとか王室とかって、女性なら誰もが一度は夢見る憧れの世界だと思うんです。美しい服を着て、美味しいものを食べて、かわいい子どもたちと散歩をして――。

 

そんな美しい物語を私自身も何度夢に見てきたことか(笑)

 

でも実際には、公私ともに常に人びとにつきまとわれ、勝手に写真を撮られ、思ってもないことをあれこれ書き立てられ、振る舞いや言動に常に細かく気を配り・・・ものすごく大変な立場なんだなと。
そのプレッシャーとストレスは、一般人には到底考えもつかないものだと思います。

 

さて、この本の中で素晴らしいなと感じたのは、四季折々に出される料理の数々が実際の写真とともに紹介されていることです。(ここでも食べ物が・・・)
本の3分の1以上はこのページといってもいいくらい。

 

王室で出される食事とかって我々には普段絶対お目にかかれないというイメージがありますが、材料や作り方まできちんと載せてあったので一般家庭でも作れるんだなと。
しかしながら少なくとも私には聞いたことがないようなスパイスやら食材がたくさん出てきました(^^; 英国のレシピだから?
そして私自身は料理がそんなに得意ではないので、きっと私がこれらを作ることはないと思います(笑)

 

他にもダイアナ妃とチャールズ皇太子とのツーショット写真や、ドレス姿のダイアナ妃など、素敵な笑顔とともに紹介されていました。
ありきたりですが、やっぱり美しい人は何を着ても何をしても美しいんだなと思いました。

 

ヨハンナ・シュピーリ『ハイジ』(福音館書店

『ハイジ』は、あの有名なアニメ「世界名作劇場アルプスの少女ハイジ』」の原作です。
ハイジはもちろん、ペーターやクララ、ロッテンマイヤーさんetc、おなじみの人物がそのままの名前で登場します。

 

子どもならではの純粋さや無邪気さでロッテンマイヤーさんを(良い意味で)苦しめる場面は読んでて爽快でした。
逆に大人びた表情や気遣いを見せてくれることもあり、年ごとに子どもから大人へと少しずつ成長していく様子を見るのも、読んでて楽しみの一つでした。

 

ペーターが、アルムにやって来たクララにやきもちを妬くシーンは、これは私自身にも経験があることなのでめちゃくちゃ共感できました。

 

今までずっとハイジ(友達)と一緒に仲良く遊んでいたのに、ある日突然自分の知らない人間(クララ)がやってきて、しかもその人間が自分の友達と親しげに口を聞いている――。

 

そりゃね、やきもちだって妬きたくもなりますよ。私もありましたから。よーくわかります(笑)
自分でも一番仲が良いと思っていた友人が、ある日私の知らない人間と仲良くおしゃべりしてて、聞くと最近知り合って話してみると気が合ったから一緒に行動するようになったと。

 

それを知ったとき、喪失感というんですかね、そんなような感情がぶわぁっと出てきました。それまでずっと一緒だったのに、友人はもう自分のことなんか忘れてしまったんだと感じてしまって。

 

もちろん友人自身はそんなことこれっぽっちも思っていないのに、意地っ張りな私はその日からわざと友人に冷たくしてみたり、友人が知り合ったというその人間に対しても口を聞こうとしなかったり。
私自身その人のことが嫌いだったとかいうことでもなくて、ただただどう接したら良いのかわからなかったんです、単純に。

 

今考えると、ほんとに子どもだったなぁと思いますが(笑)

 

ペーターがなんとかしてハイジの気を引こうとしてちょっと嫌がらせしてみたり、クララの車椅子を壊してみたりという場面は端から見ると嫌な奴かもしれないけれど、それだけハイジのことを大事に思っているからこそなんですよね。
ペーター自身も決してクララを嫌っていたわけじゃないし。どう接すれば良いのかわからなかったんでしょうね。私もそうだったように。

 

でも最後にはクララのおばあさまのおかげできちんと和解できたのは良かったです。
この物語は、あの「クララが立った~!」というクライマックスの名シーンがやはりなんといっても一番有名ですが、ペーターがきちんと最後に自分の罪を認めて和解したという場面も、なかなかの名シーンだと私個人としては感じています。